新型コロナウイルス感染拡大の影響で一気に需要が増えたライブ配信。
会社でライブ配信の担当になり、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ライブ配信の第一歩は機材を揃えること。
この記事では必要不可欠な4つの機材についてご紹介いたします。
簡単そうで難しいライブ配信、この記事が皆様のお役に立てばと思います。
1. パソコン
ライブ配信はPCがなければ始まりません。
また、配信内容によっては複数台のPCが必要になります。
ライブ配信でのPC使用例
・映像アップロード用(ソフトウェア・エンコード用)
・BGM|VTR再生用
・プレゼンテーション表示用
この中でも最も重要なのが映像をアップロード(YouTube Liveに送る)するPCです。
常に動画をアップロードしていく役割を担いますので、安定稼働のために高スペックのPCを用意しましょう。
私がライブ配信の際にメインで使用しているPCのスペックは以下のものです。
Core i7-8750H 2.2GHz
16GB RAM
GeForce GTX 1060 6GB
(256GB SSD / 1TB HDD)
※OBSを使用しソフトウェア・エンコードを行いYouTube Liveにアップロード
正直なところ、オーバースペック感は否めません。
しかし、ただでさえプレッシャーのかかるライブ配信、少しでもハードウェア所以のトラブルを無くすためにこのPCを使用しています。
とはいえ、いきなり上記のようなPCを用意するのは難しいでしょう。
まずは、手持ちのPCを使用し、本番と同じ環境で2〜3度テスト配信を行いましょう。
そのテスト配信でトラブルが起きなければ問題ないかと思います。
テスト配信でトラブルが起きた場合はより高スペックのPCを購入、もしくはレンタルという選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
※パソコンなしで配信を行う方法もありますが、イレギュラーですので割愛させていただきます
2. カメラ
ライブ配信を行いたい方は、カメラで撮影した映像を配信されたい方が多いのではないでしょうか。
一番お手軽な方法は、PC搭載のカメラで配信を行うことです。
しかし、PC搭載のカメラはお手軽な分、画質が悪い・映したいものが移せないなど欠点があります。
よって、ビデオカメラ・一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)の使用をお勧めします。
次項でカメラを選ぶ際の必須条件・配信内容によっての選び方をお伝えいたします。
映像信号の出力 ※必須
ビデオカメラ・一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)を使用してライブ配信を行う際に最も大事なこと、それは映像信号を出力できるカメラであること。
難しく感じられるかもしれませんが、平たく言い換えると “HDMI出力がついていれば” ライブ配信が可能です。
そして、近年発売されるほとんどのカメラはHDMI出力が搭載されています。
発展知識として、HDMIの詳細|HDMI以外の出力方式についても、まとめておきます。
HDMI
・現在主流の通信規格
・民生用ビデオカメラ・一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)はHDMIを採用していることが多い
・HDMIでは映像信号と音声信号を出力可能
・ロック機構がないので抜けやすい
・長距離の送信には不向き(10m以上のHDMIをケーブルを使用する際は、増幅器を使ったほうがいいです)
・HDMI規格には通常の「HDMI」と、小さめの「ミニHDMI」という規格があるので注意
SDI
・業務用ビデオカメラで広く採用されている通信規格
・SDIでは映像信号と音声信号を出力可能
・コネクタにはBNCコネクタが用いられていることが多く、ロック機構があるため安心
・長距離(~100m)の送信に向いている
コンポジット
・何世代か前のビデオカメラに採用されている通信規格 – スーファミの赤・白・黄色の黄色のやつです
・コンポジット採用のカメラでもライブ配信は可能
-しかし、映像信号の変換等が面倒云えに、HDMI・SDIで出力できるカメラを使ったほうが絶対いいです…
カメラ – 配信内容によっての選び方
ライブ配信の際のカメラ選び、理由は後述しますが、ビデオカメラを使用することを強くお勧めします。
ですが、手元にビデオカメラがない場合でも、一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)で問題ない場合があります。
カメラを選ぶ際は “ライブ配信中にカメラをコントロールするかどうか” を基準に考えましょう。
なぜライブ配信ではビデオカメラをおすすめするのか。
ビデオカメラは映像撮影のために作られたカメラです。
撮影中に設定をコントロールすることが前提で作られていますので、ズーム・フォーカス・露出(明るさ)をスムーズに変更することが可能です。
その点、一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)は写真撮影のためのカメラです。
近年では一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)でも映像撮影は可能ですが、映像撮影の際の操作性はビデオカメラに劣ります。
よって、ライブ配信中にズームを使ったり、テレビやスクリーンを撮影し露出をコントロールする必要がある場合はビデオカメラを選択。
定点からの撮影で、ズーム|フォーカス|露出のコントロールする必要がない場合は一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)でも大丈夫です。
3. インターネット回線
ライブ配信時のインターネット回線は上り速度が重要です。
一定の速度に達していない場合、配信する映像がカクついたりと不安定になります。
経験上、
【動画解像度】 720p|【フレームレート】30fps … 3~5Mbps
【動画解像度】1080p|【フレームレート】30fps …8~10Mbps
上記数値が配信可能な上り速度の最低ラインです。
回線速度がGoogleの「インターネット速度テスト」などで簡単に調べることが出来ます。
テストの結果、最低ラインに達していない場合は、異なるインターネット回線を用意しましょう。
また、インターネット回線は
有線LAN > 無線LAN=モバイルルーター(有線LAN接続) > モバイルルーター(無線LAN接続)
の順序で接続方法を検討しましょう。
また、いくつかのインターネット回線から自由なものを使用できる場合は、多くの人が使用しているなど、他の通信から干渉をされないものを使用することをお勧めします。
以下はライブ配信の際に実際に起こった、インターネット回線に関してのトラブルをご紹介します。
・有線LANを使用…事前テストでは良好だったが、テスト後にシステムが変わり本番日にYouTubeLiveへのアップロードが不可能に
・モバイルルーターを使用…事前テストでは良好だったが、本番日に近隣で数万人集客の大規模イベントが催され回線速度が著しく低下
ライブ配信では想定外のトラブルが必ず発生します。
どのような状況でも予定通りライブ配信を行えるよう、しっかりと冗長化(バックアップを用意)をした環境を用意し、本番に迎えましょう。
4. マイク
マイクはカメラに搭載されているものでも配信は可能ですが、クリアな音声を視聴者に届けるために、出演者それぞれにマイクを用意することが無難です。
有線・無線問わずピンマイクをつけることをお勧めします。
まとめ
ライブ配信時に必要な機材についてご紹介しましたが、これらはほんの一部です。
大規模な配信になる程、必要な機材も増えていきます。
事前に回線図を作成し、入念に準備した上でライブ配信本番を迎えましょう。